「まる」ないちにち

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 「発達障害の予防」って?

:: 2012/05/07(Mon) ::

少し前のニュースですが。
大阪市の「家庭教育支援条例 (案)」。みなさん、読まれましたか?

(発達障害、虐待等の予防・防止の基本)
第15条
乳幼児期の愛着形成の不足が軽度発達障害またはそれに似た症状を誘発する大きな要因であると指摘され、また、それが虐待、非行、不登校、引きこもり等に深く関与していることに鑑み、その予防・防止をはかる


発達障害が愛着形成の不足によって引き起こされる?何ですか、それ。発達障害って先天的な要因によってその特性が現れる発達遅延なのです。私の手元にある精神障害の診断と統計の手引書DSM-Ⅲ-R (少し古いものです。現行ではDSM-Ⅳが使用されています) によると、発達障害とは精神遅滞、広汎性発達障害 (自閉症障害など)、特異的発達障害 (学習能力障害、注意欠陥・多動障害など) が明示されています。
発達障害とは、親の育て方によって決して起こるものではないのです。そして、病気とは違って、残念ながら治るものではありません。

ちなみに軽度発達障害という言葉は、原則として使用しないと文科省も発表しています (文部科学省のサイト)。

(伝統的子育ての推進)
第18条
わが国の伝統的子育てによって発達障害は予防、防止できるものであり、こうした子育ての知恵を学習する機会を親およびこれから親になる人に提供する


我が国の伝統的子育てって何でしょう?もし、「伝統的子育て」というものがあるとして、それがどうやって先天的な発達障害を予防、防止できるというのでしょう?

疑問だらけの「家庭教育支援条例 (案)」。この案について乙武さんが、橋本市長に直接この疑問を投げかけたところ、橋本市長から市議団に「発達障がいの主因を親の愛情欠如と位置付け愛情さえ注げば発達障がいを防ぐことができるというのは科学的ではないと思う」という考えを伝えたそうです (そのやりとりはこちら)。今後、この案がどうなるのか、注意深く見ていきたいと思います。
sozai
日本では、自閉症を含め発達障害を持つお子さんの親御さんたち、すごくすごく苦労してきているんです。親の育て方が悪いとか、愛情を持って育てていないとか、甘やかしすぎだから・・・などと、何の根拠もなく責められる親御さんを私も何人も見てきました。自分を責めてしまう親御さんもたくさんいるんです。そういう親御さんの気持ちを聞いてあげられる場所、ストレスを感じないようにケアする場所が大切なんです。

最近になって、ようやく自閉症やADHDと言った障害を理解し、受け入れられつつあるかなと感じることもあるのですが、それがこの「家庭教育支援条例 (案)」によって、こうした親御さんやご家族の方の気持ちを踏みにじっている気がしてたまりません。

さて、今回、このブログを見てくださっている方のなかにも、もしも発達障害が親の育て方が起因だと思われている方がいらっしゃっるかもしれません。でも、そうではないということを知っていただけたらと思い、今日、この記事について書くことにしました。

お子さんが通う教室の中に、もしかしたら「うるさ過ぎる子」「関わりがうまく持てない子」「しゃべっているのは普通なのに、なぜか教科書がうまく読めない子、漢字が書けない子」という子どもがいるかもしれません。そういう子たちの中には、発達障害が原因でそうなっている子もいるのです*1
がんばって努力しているのにどうしてもできない子もたくさんいるのです。
その子たちに対して「バカな子」だなんて言わないでほしいし、親御さんに対しても、一概に「躾が悪い」と言うことばでくくってほしくないのです。
心のどこかに、このことを留めておいていただけたら幸いです。

*1:もちろん、わざとそういう態度に出ている子もいます。それこそ愛情が欲しいために、わざと悪いことをする子もいますが、ここではあえてこの問題には触れません。


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