「まる」ないちにち

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 子どものトラウマと心のケア

:: 2012/04/05(Thu) ::

1カ月ほど前、大学院でトラウマのコースがありました。もっと早く内容をアップしたかったのですが、修士論文に追われ、その余裕もなく、1カ月も経ってからの記事になってしまいました。今日の記事は長いので、興味のない方は、読み飛ばしてください~。
sozai-line3.gif

今回の授業はいつも通り、2日間行われました。初日はカウンセリングの方法論。私には難しすぎました (苦笑)。
2日目は、待ちに待った「子どものトラウマ」の勉強!この勉強をしたいがために、このコースの受講を決めたので、この日は前日とは打って変わって、やる気満々で臨みました。

みなさん、脳が右脳と左脳にわかれているのはご存知ですよね。
右脳は五感を司り、左脳は思考や論理を司ると言われています。

右脳は、子どもの時の経験などによって発達が左右されるとも言われているそうです。子どものときに、大きな事件や事故に巻き込まれたり、neglect (ニグレクト:放置、無視) や abuse (アビューズ:虐待) などの trauma (トラウマ:心的外傷) が積み重なったりした場合、右脳の発達に支障が出るとのこと。

右脳と左脳は橋のようなもので繋がっています。右脳で感じたことが左脳に伝達され、その情報をもとに考えたり行動を起こしたりするのですが、先述したような理由で、右脳に何らかの発達遅滞が認められると、その情報が左脳に伝達されない、または間違って伝達されてしまい、いわゆる「おかしい」行動に出てしまうことがあるそうです。

学校でも、人と違った行動を取ったり、じっとしていられなかったりする子もいますが、もしかして何らかの心的外傷を受けて、脳にダメージを受けていることも考えられるので、
・じっとしていない=ADHD (注意欠陥多動生障害)
・人と目を合わせられない=自閉的傾向
などど決めつける前に、その子どもの生活環境を知ることが大切とのこと。
なるほど~。これは学校で働く者として、理解しておかなければいけないことですね。
sozai-line3.gif

では、実際にトラウマを受けて、PTSD (心的外傷後ストレス症候群) になってしまった子どもをどのようにサポートしていくのか。(東日本大震災で多くの子どもたちが半年~1年経ったくらいで、見せ始めていると言われています。)

まずは、子どもたちがどのような重荷を背負っているのかを理解すること。

そして、カウンセラーとして関わるのなら、「私は絶対にあなたを裏切らないし、どんなに辛い状況でも絶対にサポートをする」という信頼関係を作って行きます。これは言うほど簡単ではありません。相手は、親からの放置や孤独、喪失、怒り、不信、無力感などを背負っているわけですから、人を信頼するようになるのは、並大抵なことではないのです。(私も不登校の子どもたちと関わってきましたが、信頼関係を作ることがどれほど大変なことか、身を持って体験しました。)

次に、先述したように、右脳の成長がどこかでつまずいているのなら、その感情を育てていく手助けをします。これはどんなことかというと・・・
きちんと感情を養っている子どもなら、何か問題が起きた時に、これはよくないことだと感じ、心も準備ができ、そして何か行動を起こす、という段階を踏むことができます。しかし、トラウマを抱えている子どもは、問題が起きたら、一気に行動を起こしてしまう:つまり、よくないことだと感じることや準備をすることができないのです。
一気に気持ちがあふれてしまう・・・そんな感じでしょうか。

大人は、問題が起きた時に、どうしたらいいのかを一緒に行動し、こういう時にはこういう気持ちになるんだと感情を教え、ともに考え、どのように行動するかを理解させてあげることが大切なのです。

ただ、子どもは上手に感情を言葉で表現することができないし、ましてや感情が育っていなければ、そういう言葉も分からないかもしれない。そこで、遊びを通じて子どもにいろいろなことを教えて行くのです。
有名なものでは、
Sandplay therapy (砂遊び療法)。 日本では、箱庭療法として有名ですね。この日は、生徒みんなで砂遊びをしました。楽しかったですよ~。
sozai-line3.gif

こんなふうに一日、子どもの心理療法についての授業でしたが、最後に何か質問があれば、ということでしたので、いろいろ質問したい中、一つ、こんな質問をしました。(この授業は3月10日でしたので、)

「東日本大震災から1年が経つけれど、子どもはもちろんのことながら、大人も辛い体験をしています。そんなときに、親や先生が子どものサポートをしてあげたくても、大人本人も被災者であり、思い出したくない経験もあると聞きます。そんなときには、どうやってサポートをしたらいいのでしょう。」

先生からの答え。
「イギリスでも10年以上前に小学校で銃の発砲事件があり、児童と先生あわせて17人が死亡する事件がありました。その後、子どもたちや先生は学校へ行きたがらない、親も家から出たがらなくなり、その村全体が「死んで」しまったような状況でした。そんなときに、行われた療法が大人と子どもみんなで手をつなぎ、輪になり、一緒にリズムを取ったり、体を揺すったりして踊るということです。みんなで思いを『分かち合う』ことによって、少しずつ、大人も子どもも固まった心がほぐれていったという報告があります。同じ境遇で同じように辛い思いをしているのなら、みんな共有できるはず。災害などでトラウマを受けている人たちにも、ぜひ、このセラピーを行ってほしい。」
sozai-line3.gif

この授業では、ここに書ききれないほどたくさんのことを学びました。今、ノートを見ながら、授業の内容を思い出していますが、やはりきちんとすぐに復習するべきでした。でも、この日にいただいた論文がいくつかあるので、修士論文を提出し終わったら、ゆっくりと読んでみようと思います。

そう。私、大学院で二つコースを取っているため、特別支援教育の修士論文を提出 (〆切:5月1日) しても、トラウマコースの課題がもう一つ (〆切:6月15日)、残っているんです。修士論文を提出したら、絶対、「終わった~」ムードになるだろうなぁ。トラウマのコースの課題、どうしよう・・・。
バラ
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  1. Category: 大学院
  2. | trackback:0
  3. | comment:4
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comment

以前、

Family Mathsコースで、haykichiさんが書かれている、
右脳と左脳についての話しを、脳の勉強をしたと言う先生から聞きました。
この先生はパートタイムですが、レセプションを担当されて、
遊びを通して、子供たちの発達を助けています。

こういう方がいる学校でよかったと思っています。


  1. 2012/04/05(Thu) 18:03:20 |
  2. URL |
  3. Mrs.B #-
  4. [ 編集 ]

Re: 以前、

Mrs.Bさん。

こういうことを理解している先生がいらっしゃるのは、いいことですね。
子どもが言うことを聞かない=躾が悪い
と思う人も多い中、違った視点で子どもにアプローチできる人がいることは
学校に必要だと思います。
そんな先生がいらっしゃって、いいですね。
どんどん、いいところを盗んで、自分に取り入れてくださいね~。
  1. 2012/04/05(Thu) 21:14:33 |
  2. URL |
  3. haykichi #-
  4. [ 編集 ]

非常に落ち着きがなく、思考、発言が飛躍することが多く見られる。高圧的に扱えば反抗。人間関係をうまく作れず、粗暴な言動も多く見られる・・・そんな少年に、先生が与えたのは読書の習慣でした。効果的でしたね~
いろいろな教師はいますが、子供に応じた手当をしてくれる。その力こそが教師の力量かなと思います。子供はみんな違う。「見て」「聞いて」「感じて」関わりを作っていける教師でありたいですね。
  1. 2012/04/08(Sun) 00:22:06 |
  2. URL |
  3. sakamoto #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

sakamotoさん。

読書の習慣がそういった少年にとってプラスに働くと言うのは、驚きですね。
どうしても、こういった生徒に対しては「~できない」と、否定的な目で見てしまい
がちですが、だからこそ、「~ができる」というプラスを伸ばしてあげることが
大切なんだと、sakamotoさんのコメントから改めて感じました。
教師の力量。みんながみんな、同じことができなくていいんです。その先生にしか
できないことを持ち味=強みとして子どもと接することが大切だと、最近、しみじみ
感じます。そのために「見て」「聞いて」「感じて」を心がけなくては、と思います。
新年度が始まりました。
お身体に気をつけてお過ごしください。
  1. 2012/04/10(Tue) 04:38:35 |
  2. URL |
  3. haykichi #-
  4. [ 編集 ]

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