「まる」ないちにち

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イギリスでの生活や仕事を通して、感じたことをつづっていきます。

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 教育講演会:怒ると叱る

:: 2012/10/08(Mon) ::

先日、私が住んでいる地域で日本人のお母様方を対象に教育講演会をさせていただきました。
内容は「日本とイギリスの学校の違い」を主にして、そこから褒めることの重要性や子どもの自尊感情へと話を発展させていきました。参加してくださった方から「すごくよかった」「もっと早く聞きたい内容だった」「日ごろの様子を省みる機会になった」などなどポジティブなリアクションをしていただけて、私も嬉しい限りです。

その中の内容を少しずつ、紹介していこうかな~と思っています。今日は「怒る」ことと「叱る」ことの違いについて。興味のある方は是非ご覧ください。

怒る叱るって何が違うのでしょう?

多くの辞書を見ると、この二つの言葉は「同意語」とあるんですが、基本的に怒るは

「起こる」と同語源で、勢いが盛んになる意から、感情が高ぶるのを言うようになったもの

                    引用:国語大辞典(新装版)小学館 1988
とあります。つまり、自分の内から湧き上がる感情をそのまま相手にぶつけることが「怒る」ことと解釈できます。
これに対して「叱る」は相手の悪い行いなどを威圧的にとがめることです。感情で自分の思いを爆発させるのではなく、あくまでも「相手」を考えての行為だととらえられます。

「怒る」というと、腹が立ったときにお腹の中でイライラがわきあがって、それがとげとげのボールになって口から相手に向かってぶつけるというような感じをイメージします。受け手は、そのとげとげのボールを受けることもできず、ぶつけられてただ苦痛が突き刺さるような感じです。怒る方から怒られる方への一方通行であり、怒り手がただ自分の感情をぶちまけるだけ、という点が特徴です。

こうなると、受け手はそのボールをぶつけられた時の痛みをコントロールしたり、ボールをかわすようになったりしていく術を学びます。どれだけ怒られても懲りなくなったり、逆に爆発させてしまったりするようになります。
よく子どもを怒っているお母さんが、怒っている最中に「聞いているの?」と怒鳴る声が聞こえることがありますが、子どもは聞いていないのか、あるいは聞いていても「やり過ごせばいいや」と思っているのでしょうね。このとげとげのボールを受け流したりかわしたりする術を子どもは学んだんでしょう。

これに対して「叱る」というのは、「相手のことを考えて」ということが第一に来ます。たとえ大声で怒鳴ったとしても、その言葉や態度には「私はあなたのことを考えている」というメッセージが含まれています。受け手は、叱り手が投げたボールを正面から受け取ることもあるし、わざと落とすこともあるし、かわすこともあります。でも、落としたとしてもそれを見つめたり、後で落ちているボールを拾ってみたり、何らかの行動が伴って起こるものだと思います。ここで先程の「怒る」と違うのは、放たれたボールがとげとげではないということ。だから、叱られた時にボールを受け止めなかったとしても、ボールにとげがないから後から拾ったり、触ったりもできるわけです。よって、叱る方と叱られる方の間には何らかの行き来があるということです。


どうやって叱るのがいいのか。

まず気をつけたいのが、「あなたは・・・」とは言わないこと。あなたが悪い、あなたがだめ・・・と言われ続けられると「あなた」=いけない子=要らない子 と子どもはとらえてしまいます。
そこで、主語を「私」に変えて叱ることが大切になります。なぜ「私が」こうして叱っているのか、「私が」何を思っているのか、「私が」いやだと思うこと・・・主語を I (英語のI=私) にして伝えることを "I メッセージ" と言い、受け手も自分のことを客観的に見て、反省できるようになります。

「あなたのそれが悪いから、やめなさい」と言われるよりも、「お母さんはこれはよくないと思うからこうしてほしい」と言われた方が、素直に受け取れません?

ただ、これを実践することは確かに難しいです。私も仕事していても、ヘイミッシュと接していても "カッ" となることがあります。そういう時は、まず深呼吸をするようにしています。すると、頭に酸素が回って、止まっていた脳が動き出すような・・・そんな感じになります。そうすると冷静になれるんです。(*私の体験談は「続きを読む」でどうぞ。)

あとは、叱るときには「短く・その場で」が鉄則。引きずらない。後からぐちぐち言わない。
そして、大切なのが一貫性連続性を持つこと。
「昨日はよかったのに今日はダメ」「お母さんと二人っきりのときはダメだけど、お客さんがいるときはいい」という一貫性のない叱り方では、子どもも言うことを聞かなくなります。また、いけないことならいけない、ということをどんなときでも伝えていく連続性も必要になります。

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この "I メッセージ" については、大学院でも勉強した内容なんですが、実は私はこれを実体験で得ていたことに気が付きました。

イギリスで仕事をし始めたころ、子どもが何らかの悪いことをし、私自身 "カッ" となることもしばしばありました。ただ、悲しいかな、英語なので、とっさに怒鳴ることができず、ぐっと我慢し頭の中で英文を考えていました。
その時、考えるという作業によって、少し冷静になれたんですね。
そして、私の乏しい英語力では、当時「I think that you should ・・・・(私は、君は・・・したほがいいと思うんだけれど)」という構文しか頭の中で出てこなくて、結果、いつも I メッセージを送ることになっていたのです。この英語では必ず「主語」をつけるということも、私にとって、I メッセージを考える、いい訓練になりました (日本語は「~は」という部分ってよく省略しますよね?) 。

この「怒れない」という経験から、確かに今もそうそう「腹が立つ」ということはありませんね。そんなわけで、ただ単に怒れなかっただけなんですが (苦笑)、今では 私=patient (辛抱強いとか根気があるという意味) というイメージが定着しています。こんな私が学校で子どもを叱るときは、子どもはかなり "ガツン" と来るようです。(周りの大人の方が驚きますが・・・。)

ちなみに・・・
こんな話をすると、私が日本で担任していた子どもに「嘘みたい~」と言われそうなほど、日本で教員をしていた時はしょっちゅう「怒鳴って」いましたね。ある日、子どもから
「先生、カルシウムが足りないかもしれませんね」
とメッセージをもらい、はっとしたことは今でも忘れません。子どもに大切なことを教えてもらいました。
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comment

あ~、そんなお話なら、私も聞きに行きたかったです。ちょっと遠いけど(>_<)

外で子どもに怒ってるお母さんを見ると、「まぁまぁ、お母さん」なんて冷静に思えるけど、自分のことになると反省しきりです。お話の続きも楽しみにしてます。

ところで、やけどの回復スピードにびっくり。良かったね!
  1. 2012/10/08(Mon) 20:08:05 |
  2. URL |
  3. 伊勢原のIちゃん #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

伊勢原のIちゃんさん。

伊勢原のIちゃんさんが聞きに来てくれたら、とてもうれしいわ。でも、どう考えても
遠すぎますね。

> 外で子どもに怒ってるお母さんを見ると、「まぁまぁ、お母さん」なんて冷静に思えるけど、
> 自分のことになると反省しきりです。お話の続きも楽しみにしてます。
自分の子どもだからこそ感情も高ぶっちゃうんですよね。結構、難しいもんです、
叱り方も。次回のお話も楽しみにしてくれているなんて、うれしいです!

>
> ところで、やけどの回復スピードにびっくり。良かったね!
ありがとう~。本当に信じられない速さです。今日も学校でみんなに
ほんとうにやけどしてたの?なんて言われたくらい。恐るべし、湿潤治療!
  1. 2012/10/09(Tue) 06:41:23 |
  2. URL |
  3. haykichi #Lg2mhvRI
  4. [ 編集 ]

「怒る」と「叱る」

公共施設等で子供さんが走り回ったりしていて、
知らん顔するお母さんがいたり、甘い声で「◯◯ちゃんだめよ~」と
とうてい叱っているようには見えない言い方であったり、
色々な場面に出くわします。
かと思えば、よその人から少し注意を受けたら、
子供に激怒して「お母さんまで怒られたじゃないのっ。静かにしろよ~」って
モノスゴイ言葉で子供に言い放つお母さんを見かけたり・・。
第三者からみると、そこまで言わなくても、その手前で
なぜに教えてやれないのか?と思う時があります。
いやいや、これは当事者ではないからこういう見方を
してしまうのかもしれませんが、どうも最近は
優しい、か、極端に怒りをぶつけ叩いたり、か、そういう光景をよくみかけます。
やはり子供を育てる、叱るということは難しい気がします。

やけど、驚異的な治り方ですね。
でも大事に至らなくてよかったです。


  1. 2012/10/09(Tue) 15:09:03 |
  2. URL |
  3. ココリン #kSi.wH62
  4. [ 編集 ]

「I」メッセージ。子供に対しての「愛」ともとれますね。
自他共に認める「雷」コーチとして、生徒たちに激しい気持ち、言葉をぶつけていますが、「愛」を込めることを心がけてきました。(生徒たちが受け取っているかは?ですが)これからは「I」メッセージも取り入れたいと思います。
  1. 2012/10/10(Wed) 00:51:07 |
  2. URL |
  3. sakamoto #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

ココリンさん。

ココリンさんのおっしゃること、ごもっともだと思います。
今の日本を見ていると両極端に走っていると感じることが多々あります。

昔の日本は「お天道様が見ているから」と言われ、道徳心を持ち、
規範に沿って行動していたと思います。それがいつのころからか
「~さんに怒られるからやめなさい」「恥ずかしいから静かにして」
というように「人の目」を意識するだけで、自分で判断ができない人が
増えて来ているように感じます。
これも時代の流れでしょうか。だからなのかわかりませんが、公共の場で
叱るということも難しくなっているのかな・・・と感じます。

やけども劇的によくなりましたよ!本当にびっくりです!ご心配
いただき、ありがとうございます!


sakamotoさん。

> 「I」メッセージ。子供に対しての「愛」ともとれますね。
うわぁ~。これ、いいですね~。早速、そう肝に銘じて I メッセージを
伝えていきたいです!

よく子どもにも言うのが「本当にその子のことを思っているから
真剣に叱るのよ」ということ。厳しくなるというのは、それだけ
その子たちのことを考え、愛している証拠だと思います。
だからこそ生徒たちもついてくるんでしょうね!
sakamotoさんのように、雷のような厳しさに愛情をたっぷりと
込めているという教師が減っているような気がするのは気のせいでしょうか・・・。
  1. 2012/10/10(Wed) 04:57:18 |
  2. URL |
  3. haykichi #Lg2mhvRI
  4. [ 編集 ]

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