「まる」ないちにち

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イギリスでの生活や仕事を通して、感じたことをつづっていきます。

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 教育講演会:褒める

:: 2012/10/11(Thu) ::

前回、教育講演会で怒ると叱るの違いについて講演したよ~と書きましたが、今日はその続き。

そもそも、この講演会の目的は
日本とイギリスの学校の違い
についてのお話をするためのものだったのです。

日本とイギリスの学校には本当にいろんな違いがあるのですが (興味のある方は「イギリスの学校」ブログをどうぞ)、その中でこれは!と思うモノの一つに「イギリスの学校では先生がよく褒める」ことが挙げられるのです。先生に限らず、本当にみんなよく褒めるし、大人にも褒めまくります。

まずは「褒める」。

例えば、算数の授業で
「3+5はいくつ?」
と先生が聞いたときに、子どもたちはさっと手を挙げます。先生が一人の子をさして答えを聞くと、その子は
「9!」
と答えたとします。この時、イギリスでは先生がなんて言うと思いますか?

「よく手を挙げて答えて偉かったね!でも、答えが違うからもう一度考えてごらん」

なんです。
たとえ答えが違っても、子どもにプラスのフィードバックを与えるんです。これなら、子どもも次もチャレンジしてみよう!と思えますね。

もし答えが違っていた時に
「違う」
なんて否定されて終わりだったら、もう一回やってみよう、手を挙げてみよう、とは思えなくなってしまうと思います。子どものやる気が育たなくなってしまうのです。

何を褒める?

講演会でお母さんたちにお願いしたのが、子どもたちを
「褒めてください」
ということ。褒められることで子どもの「やってみよう」「がんばるといいことがあるな」「間違えてもいいんだ」という気持ちを育てることができるからです。

実は、ずっと昔に、ある日本人のお母さんに
「今日、OOちゃん、すごくがんばったんですよ。思い切り褒めてくださいね。」
と言ったところ、
「私、今まで褒めたことがないので、今さら褒められません。」
という言葉が返ってきました。

そうか。確かに難しいかもしれない。褒め慣れていないと、何を褒めていいのかわからないですものね。そこで、今回の講演会でいくつか例を出してみました。

-勉強だったら、
「今日はきれいな字だね」「姿勢がいいね」「昨日より本読みが上手になったね」「この前までできなかった問題ができるようになったね!」
というように、褒めることは何でもいいんです。勉強に直接関係していないことでもいいんです。

-生活習慣だったら、
「靴を上手に並べられたね」「今日は言われなくてもお片付けができたね。すごいね。」「いつもは何回も注意されるけれど、今日は一回でゲームを止められたね!」
など、たとえそれが「完璧」でなくても、やった行為について褒めてください。
子どもは「褒められること」でぐぐっとやる気を出します。そのあとで、間違っていることを指摘してみてください。

褒めて伸ばす」。

日本では
負のフィードバック
が重視されます。例えば、子どもがテストで90点取ってきたとしたら何て言いますか?
「あと10点、がんばってよ」「ここができていれば、100点だったのにね」
とついつい言ってしまうかもしれません。
そうすることで、子どもにやる気を奮い立たせるのです。もちろん、これで「何を!やってやる!」と思える子もいます。しかし、そうでない子もいるのです。

イギリスでは
「わ~すごいね!一生懸命やったんだね!」
とまずはがんばったことを褒めます。そしてそのあとで何を間違えたのか見ていきます(そもそも、テストは日本では「減点法=100点満点からどれだけ間違えたのか」で点数を出しますが、イギリスは「加算法」。全くできない=0から始まり、できた数で点数をつける方法です。常にできたことに重点を置くのです。なのでテストは100点満点じゃないんですよ)。

最初に親や先生から発せられる言葉が「ポジティブ=正」か「ネガティブ=負」かによって、子どもたちのやる気に大きく差をつけます。

その子のありのまま

何も難しいことではありません。その子のありのままを見て欲しいのです。
そのためには、人と比べないこと。

「OOちゃんはこんなにできたのに、なんであなたはできないの?」

ではなく、

「わ~すごい。昨日までできなかったのに、今日はできるようになったのね!」

です。その子を見て、その子の成長ぶりを褒めてあげて欲しいと思います。


次回は、褒めないとどうなってしまうのか・・・。
いろいろなデータを取り上げて日本の子どもの「自尊感情」についてお話ししたいと思います。


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実は私、日本で教員をしていたときは
「叱咤激励」をするタイプでした。
とにかく、負の評価をすることで、やる気を出そうと思っていたところがあります。中には食らいついてくる子もいました。でも、そうでない子もいたのです。今となっては大いに反省させられるところです。

その後、特別支援学級の子どもたちと一緒に過ごすようになってから、褒めることの大切さを知りました。

本当に子どもたちを大げさなくらい褒めて褒めて褒めまくっていました。そうでないと、一切勉強をしない子もいたのです。毎日褒めていたことで、褒めることが普通になって行きました。人って変わるものですね。

私自身も叱るよりも褒める方が気分がいいんです。気分がいいと笑顔でいられる。すると、雰囲気も良くなる。子どもも楽しく一日を過ごせる。子どもが嬉しいと私も嬉しい。
これこそ「まる」な一日なんです。
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自分自身を振り返ってみるとまさに怒る母でした。
早くに子供を産み何もわからないままの育児でした。
今でも子供たちに申し訳なかったなあと思いますよ。

自分の子供が小学生のころ、幼稚園小学生対象に図画工作教室をしていました。
2年生くらいの男の子が私に、「先生、僕絵が下手なんや」と言います。
「そんなことないよ、誰に言われたの?」と聞くと、「お母さん」と答えました。
虫が大好きで虫ばっかり描きたがる子でした。
細かいところまでよく観察できていて、いつも驚かされていました。
お母さんは人と違う絵を描く自分の子になにげなく言ったのでしょう。
でも、お母さんの言葉は子供にとって絶対なんです。

たくさんの子供たちと一緒に作品を作りながら、私は自分の子供たちとの向き合い方も学びました。
お恥ずかしい話ですが、褒めるって本当に大切です。
小さい時の誰かの一言が支えになり、ずっと励みになったりします。
また逆にたった一言でずっと自分に自信が持てなくなったりします。

  1. 2012/10/11(Thu) 09:39:16 |
  2. URL |
  3. ぶんぶん #-
  4. [ 編集 ]

怒りん坊母のChunです(笑)ちょっぴり、耳が痛い記事が続きます...

私も褒められずに育てられて、中学の時に98点をとって叱られた時には家出しようかと思いましたよ(苦笑)でも、負けず嫌いの私にとっては「母を見返したい」というネガティブなものではありましたが、原動力にもなりました。
でも実は母にとっては自慢の娘だったようで(大学に行くまで気づきませんでしたが)、だからこその言葉だったようです。

母に褒められたかった私なので、なるべく子供は褒めたいと思うのですが難しいです。ついつい、悪く言ってしまいます。
わが娘たちは二人とも負けず嫌いなので、私の言葉に次女は「なにくそ!」と思い努力し、長女は「くやしー」と泣いて終わります。結果は歴然なんで、余計に長女は劣等感を持ってしまうという悪循環でした。

そんな時にイギリスに行き、学校でたくさん褒めてもらい、英語を身に付けてたくさん友達ができたことは、長女に(妙な)自信を与えたようです。

今、二学期中間テストの1週間前です。
帰国して3回目の定期テストだし、中2なのでそろそろ志望校を考えないといけないそうで。先週、ちょっと口論になり「○○高校くらい行けるよ(最上位校の一つです)お父さん受かったんやろ」と言いました。決して自分から目標を口にすることのない長女なので、ちょっとびっくり。今の成績で、○○高校志望ですと言えば、「お母さん、おもろいこといいますね」と先生に言われるような状況です。
ちょっとうれしかったので、さっそく夫に報告。夫も「本当に受かったら何でも買ってやるのになぁ」とにやにやしていました。
とりあえず、うたたねだけは見張りますが(笑)、黙って見守ることにしました。

「褒める」は、私にはまだまだ難しいです。修行中。
そうそう。夫も褒めない人です。この年になっても、まだ褒められません。
美味しいものを作った時くらいほめてほしいですが、「だって、このくらいのもんいつも食べてるやん」と言われました。これは、褒められているのでしょうか...

p.s.
火傷、本当にきれいになってびっくりしました。
でもでも。私もイギリスではよくオーブンで火傷をしたので、お互い火傷をしないように気を付けましょうね。
  1. 2012/10/11(Thu) 11:51:16 |
  2. URL |
  3. Chun #szSkF/ec
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

ぶんぶんさん。

「お母さんの言葉は子どもにとって絶対」
まさにその通りだと思います。どれだけ先生が一生懸命に愛情を注いだと
しても、お母さんに勝る人はいません。本当に子どもにとって母親の
存在が一番なんだな~と感じます。そういう意味では、私にはその経験が
なく、非常に残念でなりません。

「小さい時の誰かの一言が支えになり、ずっと励みになったりします。
また逆にたった一言でずっと自分に自信が持てなくなったりします。」
本当ですね。何気なく言った一言が、その子のその後を大きく変えてしまうかも
と思うと、言葉一つ一つ、大切にしたいと思います。

ぶんぶんさんが、たとえ怒るばかりの母親だったとしても、お子さんたちに
注がれた愛情はそれこそその何百倍・何千倍・・・比べられないものだった
ことと思います。ぶんぶんさんのお誕生日の記事を読んで、お嬢様の
ぶんぶんさんへの思いが伝わってきました。それは、やはりぶんぶんさんが
大切にお子さんを育てられたからだな・・・と感じました。

図画工作教室!納得!あれだけ上手な絵を描かれるんですものね。
お子さんたちもみんな楽しまれたことでしょうね。ぶんぶんさん、多才ですよね。


Chunさん。

ごめんなさい~。あと1回だけ、お付き合いくださいね~。

負けず嫌いのお子さんには、きつい言葉が原動力になるんですよね。
そして、そのときに少しでも優しい言葉があると、ほっとしたりしませんでしたか?

> 母に褒められたかった私なので、なるべく子供は褒めたいと思うのですが難しいです。
そうなんです。ここが今の多くのお母さんが抱えているものだと思うのです。
私たちの世代はなかなか褒められて育っていないので、自分の子どもにも
同じようにしてしまうんです。これ、至って当たり前のことだと思っています。
経験がなければできないから。
だからこそ、お嬢さんがイギリスで褒められる教育を受けてよかった、と思います。
自信を持つって本当に大切。日本人に欠けていることのひとつですよね、これも。
そういう意味でもお嬢さんが自分の口から目標を言ったなんてうれしいですね!
受かるといいですね。

> 美味しいものを作った時くらいほめてほしいですが、
> 「だって、このくらいのもんいつも食べてるやん」と言われました。
> これは、褒められているのでしょうか...
ある意味、褒め言葉ですよね。いつもおいしいということですものね。

> 火傷、本当にきれいになってびっくりしました。
> でもでも。私もイギリスではよくオーブンで火傷をしたので、
> お互い火傷をしないように気を付けましょうね。
はい。あれ以来、オーブンを使う時は十分、気をつけています。
もうあんな痛い思いはこりごりです。
ホント、治ってよかったです。
  1. 2012/10/12(Fri) 06:54:12 |
  2. URL |
  3. haykichi #Lg2mhvRI
  4. [ 編集 ]

いろいろな美味しいものや素敵な物を作り出すhaykichiさんの大切な手本当に火傷の痕が綺麗に治って良かったです。

今回の褒める大切さ、子育て失敗宣言をした母親として耳が痛い
私は本当に褒めることが下手で減点法で息子に怒ってばかりの母親でした。
ストレスからくる怒りの感情を子供にぶつけ叱るのではなく、
今思うと唯のヒステリー状態だったような気がします
今更反省しても、もう大人になった息子達が変わるのは難しいと
感じてます。
それでも、不足は一杯あるけれど、いい面も一杯あるから
手遅れでも少しは褒め続けようかなって思いましたよ
こんな気持ちにさせてくれてhaykichiさんありがとう
  1. 2012/10/12(Fri) 22:29:39 |
  2. URL |
  3. とんび #Sm/ug.UM
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

とんびさん。

やけどに対して、温かいメッセージをありがとうございます。
驚くくらいのスピードで治ってくれ、本当によかったです。

とんびさんの子育て経験、お話ししてくださってありがとうございます。
子育て失敗だなんて、思いませんよ~。
お家での息子さんたちとの様子をブログで拝見し、そんなこと全く感じません。

減点法に関しては私もそうでした。日本にいたらそうなってしまうとも
感じます。でもね。大人になってからでも人間って変わると思うのです。
手遅れだなんて全く思っていません。(実は私の父と兄の関係がそうでした
から。父は70を過ぎてから褒めるようになりました。)
いいところを見るようにしていくことって本当に大切なんだな~と
感じます。

> それでも、不足は一杯あるけれど、いい面も一杯あるから
> 手遅れでも少しは褒め続けようかなって思いましたよ
> こんな気持ちにさせてくれてhaykichiさんありがとう
こちらこそ、こうしてとんびさんの思いを伝えてくださって
ありがとうございます。私が書いたことで、誰かが何かを
発見してくれたら・・・とてもうれしいです。
  1. 2012/10/13(Sat) 00:56:56 |
  2. URL |
  3. haykichi #Lg2mhvRI
  4. [ 編集 ]

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  1. 2012/10/14(Sun) 21:02:54 |
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